札幌でインプラント年間埋入本数1,000本以上の越前谷澄典理事長がインプラントの治療方法、期間、危険性について解説します。
目次
1.インプラントはどのような治療方法?
インプラント治療は、失った歯を補う最も効果的な方法の一つです。歯周病や事故等の外傷で歯を失った場合、インプラントはその機能を回復させる重要な選択肢となります。この治療法は、あごの骨にチタン製の小さなネジを埋め込み、その上に人工の歯を取り付けることで、自然な見た目と機能を取り戻すことが可能となります。
インプラント治療は大きく分けて4つの治療工程に分けられます。
①検査、診断、治療計画
治療前には、患者の口腔内の状態を詳しく検査します。これには、あごの骨の量や質、残った歯の状態などが含まれます。X線やCT撮影を用いて、正確な診断を行います。
②手術
インプラントの埋め込みは、一般的には局所麻酔をかけることで行われます。必要に応じて、あごの骨に小さな切開を行い、チタン製のインプラントを埋め込みます。このプロセスは患者の体質や全身の健康状態によって異なります。
③上部構造の装着
埋入したインプラント体に上部構造を装着して治療は完了です。
④治療後のケア
インプラントの成功は、適切なメンテナンスに大きく依存します。定期的な検査とクリーニングは、インプラントの長期的な機能を保つために重要です。
2.インプラントの手術方法について
インプラントの手術には一次手術と二次手術があります。
①一次手術
歯の欠損部(歯がなくなったところ)の歯槽骨に人工歯根(この部分が通称インプラントと呼ばれる部分です)を埋め込む。
②二次手術
埋入されたインプラントにアバットメントと呼ばれる連結部を装着する。
①一次手術と②二次手術を1回(同日)に行う「1回法」、①一次手術と②二次手術を2回(別日)に分けて行う「2回法」という治療方法があります。

2-1.インプラントの治療方法
「1回法」の場合
「1回法」の場合

1回法と呼ばれるインプラントの治療方法は一次手術と二次手術を文字通り1回で行います。
患者様のメリットとしては1回で行うので治療期間も短くなり、身体的な負担も軽減されることです。
デメリットは骨の状態などの条件を満たしていなければ1回では行えないため、すべての患者様に適応とならないことです。
条件を満たすかどうかは事前のCT診断でもある程度予測はできますが、実際に歯槽骨にインプラントを埋入たときにどれくらいの力でインプラントを埋入できたかで歯槽骨とインプラントとの固定力(初期固定)を確認してからになります。
2-2.インプラントの治療方法
「2回法」の場合
「2回法」の場合

2回法と呼ばれるインプラントの治療方法は一次手術と二次手術を文字通り2回に分けて行います。
一次手術後、下顎の場合は約3ヶ月、上顎の場合は約6ヶ月、埋入したインプラントを歯肉の中に閉じ込めておき、骨との結合を待ちます。
インプラントと骨との結合を確認してから、二次手術を行います。
3.インプラントの治療期間はどれくらい?
患者様の来院頻度はもちろんのこと、インプラントの埋入本数やインプラント埋入予定部位に歯があるかどうか、骨が薄く骨造成が必要かなどにもよりますがここでは一般的な一次手術から上部構造の装着までの治療期間をご説明します。
3-1.「1回法」の場合の治療期間

インプラント治療を1回法で行った場合の治療期間の目安として、一次手術から上部構造の装着まで下顎で3〜4ヶ月ほど、上顎で5〜7ヶ月ほど見てもらえればいいと思います。
3-2.「2回法」の場合の治療期間

インプラント治療を2回法で行った場合はまず一次手術を行ってから治癒期間として下顎で3ヶ月、上顎6ヶ月ほど待ちます。
その後2次手術を行い、上部構造を装着しますので、トータルで下顎で4〜5ヶ月、上顎で6〜8ヶ月ほどかかります。
3-3.治療期間と来院回数
インプラント治療にかかる治療期間のほとんどはインプラントと骨との結合を待つ治癒期間と上部構造の製作時間です。
そのため、治療期間は長いなと思われるかもしれませんが、来院回数としては月に1〜2回ですみますのでご安心ください。
4.インプラントの治療は痛くない?
インプラント治療で痛みを感じるとすると、手術中の痛みと手術後の痛みが考えられます。
4-1.インプラント手術中の痛みについて
インプラント手術時は全身麻酔は使用せずに通常の歯科治療と同じように局所麻酔で痛みを感じなくさせながら行います。
麻酔は時間とともに効果が薄れてきますのでスピーディな手術が求められます。手術の時間が短ければ短いほど痛みもそうですし術後の腫れも軽減できます。
そうは言っても手術に対して不安が強い方には笑気ガス鎮静法や静脈内鎮静法といった不安を軽減させる鎮静方法もあります。インプラント治療を行なっている歯科医院であれば導入している歯科医院も多いと思いますのでご相談してみて下さい。
4-2.インプラント手術後の痛みについて
インプラント手術後は2、3日程度腫れたり、痛みを感じたりすることはあります。
痛みに関しては個人差が大きく、インプラントの埋入本数が多かったり、骨移植を行ったり、抜歯を同時に行ったりした場合は、1週間程痛みや腫れを感じるかたもいらっしゃいます。
ただ、通常の抜歯などの外科治療とほぼ同程度ですので、ほとんどの場合は痛み止めのお薬で抑えられますのでご安心ください。
5.インプラントの治療は危なくない?
インプラント治療の危険性を考えることは歯科医師にとっても非常に大切なことです。なぜならそれを避けるために、どうすれば安全に安心してインプラント治療を提供できるのかに繋がるからです。
患者様にもインプラントの危険性(リスク)を知って頂くことで安心してインプラント治療が受けられる歯科医院を選ぶポイントを理解して頂ければ幸いです。
5-1.インプラント治療における危険性
インプラント治療における危険性は①外科手術に関する偶発症、②外科手術に関する合併症、③上部構造装着後のトラブルの3つが挙げられます。

①外科手術に関する偶発症
神経麻痺・上顎洞炎・感染骨壊死・骨折
これらは絶対に避けなければならないもので、歯科医院の責任となるところです。
②外科手術に関する合併症
膨張・疼痛・発赤・出血
偶発症と違い、必ず起こり得るものなので、負担を軽減、減らすことを目指す必要があります。
③上部構造装着後のトラブル
清掃性不良・審美性喪失・上部構造破折、脱離・ネジの緩み・噛み合わせ不良
上部構造はある意味では消耗品です。口腔内の状況に合わせて修理や形を修正する必要がありますが、こうした上構造のトラブルでは肉体的負担はほとんどありません。
5-2.インプラント治療の安全性を高めるために
インプラント治療は外科手術を伴うために上記のような危険性はリスクとしてありますが、歯科医院側の問題がほとんどです。
インプラント治療の危険性を高める要因
・歯科医師の知識、技術、経験不足
・歯科用CTを使わずにインプラント治療を行う
・院内感染対策を行っていない
逆に言うと
インプラント治療の安全性を高める要因
・インプラント治療実績(経験)
・歯科用CTによる精密な診断
・器具の消毒・滅菌だけでなくオペ室全体の院内感染対策
これらをしっかりクリアしていれば安心してインプラント治療を受けることができると考えます。
10年、20年前とは違いインプラント治療も欠損治療の一つとして確立されてきた現在では、準備をしっかり行えば、上記のようなインプラント治療の危険性はあまり考えられません。
ただし、インプラント治療をはじめ抜歯などの外科手術は医科でも歯科でもやはり技術が必要です。技術を磨くには当然経験がものを言うという側面は否定できません。
私もそうですし、インプラント治療の実績の多い先生ほどインプラント治療の難しさを理解されています。だからこそ今でも学会やセミナーに参加して日々研鑽を続けているのです。
6.インプラント治療のメリット
インプラントのメリットは様々ありますがいくつか代表的な例を紹介します。
①自然な見た目と機能
インプラントは自然な歯に非常に近い見た目と機能を提供します。これにより、食事や会話が以前と変わらず行えます。
②健康な歯を保護
従来のブリッジや義歯と比べ、周囲の健康な歯を削る必要が少なく、歯の健康を長期間保つことができます。歯を失ったところにインプラントをすることは他の歯を守ることにもつながります。
③骨の健康を維持
チタンのインプラントは骨と結合し、あごの骨の健康を維持してくれます。入れ歯やブリッジの場合、歯を失ったところのあごの骨は次第に痩せていくため顔貌が大きく変わってきますがインプラントはそれを防ぐことが可能です。
7.おわりに
ここではインプラント治療についてその治療方法とその治療期間、危険性についてご説明しました。
わからないから不安になるのは当然だと思います。
インプラント治療に関して疑問や不安な点はぜひ歯科医院にお問い合わせください。
※インプラント治療の注意事項
・外科治療が必要となります。
・骨の状態によっては仮歯を固定することができず入れ歯を使用する場合もあります。
・治療後の口腔管理が不適切な場合、インプラント周囲に感染、炎症が起きることがあります。
※インプラントは保険外診療です
費用:インプラント1本:30〜35万円(税抜き)
・インプラント治療のご相談はスマイルオフィスデンタルクリニック西野院まで
札幌市西区西野2条6丁目2-10フェリス西野1F
TEL:011-668-6681
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